列挙する能力 詩と向き合う/葉leaf
流れる場所」であるという一点だけで、これらの場所が並列される必然性は全くありません。縦の進行においては文の接続が連想によって容易に行われていたのに対し、ここでは、「青髭の家」から「屠殺場」を連想することは決して容易ではなく、恣意的であり、「青髭の家」と「屠殺場」の接続には何ら必然性はありません。それゆえ、「青髭の家」から「屠殺場」に詩行が進行していくときにはイメージの飛躍が伴います。また、「青髭の家」「屠殺場」「円形競技場」は近接している必要が全くなく、互いに遠く離れていても一向に構いません。それゆえ、ここには互いに遠い場所の間の空間的な断絶と、遠い場所を結びつける空間的な広がりがあります。
縦の進行に比べて、列挙による横の進行は、イメージや空間の飛躍、そして空間の広がりにより、詩に驚きと壮大さを与えることができます。それゆえ、列挙する能力は、詩を書く上で重要な能力と言えます。
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