列挙する能力 詩と向き合う/葉leaf
には多少の能力が必要です。それが列挙する能力です。
引用部を含む散文詩である「大洪水のあと」は、引用部よりもひとつ上の次元でも列挙を行っています。大洪水のあとの状況を、野兎や宝石、小舟、血、ビーバーなどのモチーフを用いて、並列的に描写しています。ではそのような列挙にはどのような効果があるのでしょうか。
先の引用部を、同じ「大洪水のあと」の次の部分と比較してみましょう。
村の広場で、少年が両腕をぐるぐる振り回した。するとその合図は、あちこちのさまざまな風見や鐘楼の雄鶏の風見によって理解された。
ここには「少年が腕を回す」→「風見がその合図を理解する」という因果系列・時系列の流れ
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