棺の蓋にはラッカースプレーでこう書いてくれ、「出来る限りの速度と力がそこにはあった」と/ホロウ・シカエルボク
くごみみたいにさ、積み上げられて、膨張しては圧縮されていく、それが繰り返される、分かるだろう、速度と力が必要になる、最初は指で突っつくだけで貫けたものが、腕になり、身体になり、やがて道具を必要とするようになる、なんでもいい、貫けるものなら、なんでも…そうしていま自分に可能なありったけの力を持って、貫くんだ、もちろん次第に一度だけじゃ済まなくなる、何度でも試みなければならない、貫くんだ、少しでも手を抜いたら、そこから先へ進めなくなるかもしれない、だって、すべては絶えることなく積み上げられているのだから、絶えず積み上げられて、こちらが圧力に負けるのを待っているのだから…同じ箇所へ、同じように、少しでも
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