夢に関する権利(朗読用)/あおば
 
れが
雛あられを啄むようにもごもご語る予言を呑み込みながら
100均の店内をジクザクに引き回される我が身の不甲斐なさと
中産階級の購買力に頼る猫またぎの無停電電源装置の父母達が
テンプラ蕎麦が食いたいと
脇目もふらずに歩いた末に
辿り着いた場末のダンスホールは熱気満々で
床を這う隙間もないくらいだと
古くさい鉛管から漏れる水道水の
訥々と語り出す
ブブという声を聴き
寒天養殖のノウハウを無給の熟年労働者が説く条件等色(メタメリズム)を信じながらも
波長依存性に縋る5寸釘の打たれた神社の奥の鬱蒼とした杉木立には
栄枯盛衰毀誉褒貶と
あくまでも4文字熟語に拘るつもりの福々し
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