6/きるぷ
外国から封書がとどいた
ギリシャ文字の切手に、
数ヶ月前の消印が押されていた
知り合いは元々すくないし、
海外から手紙をよこす人間といえば
もう何年も会わないあの人ぐらいだった
・
目を通すと、
やや神経質な声が耳元で聞こえるような尖った筆跡が
すでになつかしかった
なんてことない挨拶と日常のはなし
その中に挟まれた、
こっちではタコが大変美味しいです。
という一文にぼくは笑った
何かを一緒に食べている記憶ばかりがあるな、
と思った
・・
雨は今日も続き、
夜になると激しくなったから、
時々どこにいるのかわからなくな
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