思い出の痛みは嘘になる/ホロウ・シカエルボク
 
思えないものね。だから、あまり込み入ったことは聞かなかった。聞き返されたらあたしだって話さなくちゃいけないし。子供みたいな年で毎晩大人に奢ってもらいながら飲んでるわけなんてね、絶対まともな理由じゃないでしょ?だからジンも聞いてこなかったんだと思う。

 だけどあたしはいつもいつもファンタズムで飲んでるわけじゃなかった。ほかの店にも奢ってくれるひとはたくさんいたし、みんなあたしに会えないと寂しいと言ってくれた、それにね、そもそもファンタズムって、よっぽど奇妙な気分の時か、ほかの店がふさがってるときだけしか行かない店だったのよ。だからジンとは定期的に会ってはいなかった。二日続けて会ったかと思えば、
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