思い出の痛みは嘘になる/ホロウ・シカエルボク
 
させてくれって懇願されて、それでも首を縦に振らなかった。それで絞め殺されて、裸にされて犯されてごみ捨て場に転がされた。よくある話よ。本当にうんざりするくらい、よくある話。ウリなんかしてるコは、どこかでいつもそんな風に死んでいくのよ。

 久しぶりに顔を出したファンタズムで、あたしにそのことを教えてくれたのは、ジンに部屋を世話してあげた不動産屋のヒゲだった。かれは知っていたのよ。若くて不思議な顔をした、ヌキ専門の坊やの噂。仕事で行ったどこかの街で聞いたらしいわ。その時はジンは違う名前だったけどね…あたし知らなかったんだけど、ヒゲはどっちでもイケるらしくて、ジンを見た瞬間にピンと来たんだって。だか
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