食卓に散乱した過去の血が詩篇の様に示唆している未来/ホロウ・シカエルボク
反転するように景色が、空気が、光がすり変わる、スピードの中で俺は置き去られている、人柱のように主観的な時間の中に杭打ちされて、そこを軸にして世界は動いているのだ、主導権を握っているのは誰だ、主導権を握っているのはいったい誰なんだ?人生の中心にありながら―傍観者だ、眼球が何かを捉えようとして躍起になっている、スピードの中に首を突っ込んではならない、首を撥ね飛ばされたくなんかない…撥ねられた俺の首はきっとどこまでも転がってゆくだろう、「オーメン」のあのシーンのようにさ、狂った朝、狂った昼、狂った夜、スピードは狂わせる、スピードはすべてのものを狂わせる、だけど、ただ立ち止まっているだけじゃ知ることの無い
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