食卓に散乱した過去の血が詩篇の様に示唆している未来/ホロウ・シカエルボク
 
妙な事情出ない限りこれは俺の血に違いないだろう、だけどなんだ?この例えようもない違和感は?―所詮リアルとは、進行形の時間の中にしか存在しないものなのだろうか?この血は、この血は俺のことを語らない、俺から流れる血のように俺のことを語らない、例えるなら俺の死体が、おそらくはほとんど俺のことを語ることがないのと同じように、ただただ渇いてこびりついている―ただただ渇いてこびりついている…一瞬窓から迷い込む鋭い灯り、あれはトチ狂った車のヘッドライトだろうか、サーチライトのように―まるで俺を誰かが捕らえようとしているみたいに―一瞬窓から迷い込む鋭い灯り、でもそれはそれ以上どんなところも照らすことはない、少なく
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