木(Les Arbres)/葉leaf
 
い光沢の中に断罪の意思を映している。木々は怯えて許しを乞うが、幹の磊落さは失われない。しばらくして球体は配置を変え、青空の軍歌のように意思を失う。光を切り裂く失踪鳥。木々は安堵して枝を伸ばし、分枝点へと応力を按分する。〖右手には二本の高さの異なる木が生えていて、一本は根が透けて見え、もう一本には葉がない。ここからはその二本の木までの正確な距離を測ることはできないし、どちらがより近いのかもわからない。根の晒された木は時おり気体分子に隠されて再び現出するが、生長の遠因を失っている。鳥の巣だけは目に鮮やかだ。葉のない木は少年の夢想のように、静かに崩れ落ちる。かすかに歌声が聞こえる。そして木
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