木(Les Arbres)/葉leaf
 
て木の残骸は、静謐の中に運動の余韻を残す。その上を見慣れない蜥蜴が走る。液的な恋情。雲はいよいよ形を変えて。〖上空から木々が逆さまに連なってい、その先端は蝶の航跡に分け入っている。空への反照が生々しい。木々は地上に在るものを挑発し、雨のように遠ざかる。そして癒着点にて反転し、再び近づいてくる。一瞬だけ、馬の形になる。空に一番近い木のひとつの枝に花が咲いている。その周りだけ空は光を失い、窪んでいる。時の柔らかさ。花弁は無情に明るくて。〖突如視界を蝕むものがあり、劇中劇は終わりを告げた。
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