視線/くみ
 
プを恋人の目の前に差し出す。
行儀が悪いと言われるかもしれないが、一口二口程すすりながら恋人の横に座る、正面に座らないのは恋人の顔がまともに見れないからだ。
またさっきみたいに、誠実で優しい視線で見られてしまったら、自分はきっと耐えられないと確信している。
そうでなくても恋人に対する色々な感情から自分の胸が一杯になってしまい泣き出しそうに…切なくなってしまう。
もしそんな事になってしまったら、ベッドに戻って布団を頭から被ってくるまり暫く出て来ないだろう。
わざと視線は珈琲の入ったカップに落としたままにしておく。再び二口位珈琲をすすった。

相手に気がつかれないようにそっと視線だけを上
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