散弾銃の硝煙の妄想と瞬きの間だけの小さな虹/ホロウ・シカエルボク
 
辺の店で食いもんを注文しては、そこで食うことも無く、あのビニール袋に食いもんを突っ込んで金も払わずに黙って店を出るんだ、いつからそんなことしてるのかは知らない、どうしてなのかも判らない、でも、今じゃ彼女に対してムキになる店はもう無い、そういうもんだと思って受け入れている…だけど彼女、果たしてあれをちゃんと食べているのかな―?小さく丸まったその背中を見送って小さな公園に出ると浮浪者が鳩に餌をやっていた、まるでそうすることが彼の人生における重要事項みたいにさ…俺が彼を見つめていることに気付くと舌打ちして(またかよ)、殺すぞと毒づいた、やってみなよと返すとそれ以上もう何も言わなかった、本当に殺すやつはわ
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