散弾銃の硝煙の妄想と瞬きの間だけの小さな虹/ホロウ・シカエルボク
のアジア・ツアーの噂を月刊誌で読んだ、ニュー・アルバムなんかここ何年もリリースしちゃいないのに…どっかで見たようなベスト・アルバムばっかでさ、満足しちゃいねえぜ、何も満足したりなんか出来ねえ、あんたたちまでそんなことしてるんじゃさ…ずっと街角で生きているみたいなメイド喫茶のフライヤーをばら撒く女、あんたのことネットで見たぜ、裏路地に隠れて煙草吹かしてたろ、そんなんじゃご主人さまは喜んじゃくれないぜ、それともそんなことしても許してもらえるくらいのご奉仕をあんたは身につけているのかな―マクドナルドの横の通路の物陰で若いカップルが獰猛なだけのキスを繰り返していた、その側を歩き抜けるとき俺は大きなくしゃみ
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