詩人/葉leaf
そして人生を渡っていく存在として負うべき重力が、自然法則の単純さと明快さでその妥当性を主張し始めると、簡単に霧消する儚い自由に過ぎなかった。なぜ僕はこんなに明白だった重力を感じようとしなかったのか、いや感じていたのに余りにも当たり前すぎて気づかなかったんだ。欠落はもはや否定として伝染していく力に欠け始めた。僕の孤独ももう欠落なんてノスタルジーに満ちた生易しいお菓子ではなくなっていて、すでに欠落は今朝見た小鳥にも一部埋められてしまったし、僕が生きていくだけで自動的に埋まっていく欠落もドミノ倒しみたいにたくさんある。無いとか在るとかもはや単純に言えなくて、幽霊がいますね、幻想が見えますね、そのように、
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