某勉強会での記録メモ/中川達矢
 
ことが予測される。しかし、こほつた雪を字義どおりに解釈するのか、メタファーとして解釈するのかによって、意見が分かれる。「こほつた雪であつた」と「これはうつつの夢」の間には、本来であれば改行してもよいぐらいの断絶がある。それは、山から下り、渓流をわたり…、こほつた雪を手にしたという経験を対象化したからこそ、「これは」という表現をすることができるからだ。白つつじは5月頃に花を咲かすという指摘があり、やはり、そこにこほつた雪があることは不可思議である。それを字義どおりに解釈するならば、この前半部分は夢のような世界となる。白つつじの花をこほつた雪と喩えているメタファー解釈をするならば、前半部分は現実を夢の
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