はじまりの光のよるに、星を見ていたと伝えよう。/北街かな
 

宇宙誕生の冷たい光にうっすら溺れていた僕の近くで、
きみのみなもとが粒に変わって、星のあいだに流れていく。

ただ空を見ていたんだ。すべてはただ広がっている。
膨大になるばっかりの空間が、時間を刻んで星をふやしている。
宇宙はかつてきみの塞がっている胸のようにすさんでいて、
つめたく闇に満ちていたのに。

さまよう粒の群れはみな恋しがり、いずれ手を繋ぐばかりだ。
銀河が銀河を呼び集める果ての果てのその先に、
空洞ばかりが置き去られ、ただ、空っぽに広がるんだ。

どこまでも。

そうしていつか、宇宙はとてもさみしくなるよ。

おそろしいとか悲しいなんて、誰が口にし
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