はじまりの光のよるに、星を見ていたと伝えよう。/北街かな
にした感情だった?
くろい広いからっぽだけが
どこまでも続いていくのを死星たちが見送るだろう。
なぜ生まれたのですかと背景放射に聞いた。
宇宙灯台を建て、ロケットを噴かせて聞いてみた。
その答えを聞くのは人間の耳であると液体ヘリウム管は言い、
その答えに触れるのは人間の肌であると、円錐型導波器は震えていた。
時空と星と僕らのすべてが生まれた証拠を求めて
遠く打ちあがっていった灯台が覗き込んだのは
宇宙がかつて解き放れたときの、単純さに満ちた世界だ。
そこにはただ、光だけがあった。
光の中で形ある光景がめざめたそのときから、
僕らは広がりながら、ぎゅうぎゅう引き寄せあ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)