赤黒い血飛沫のバラッド/ホロウ・シカエルボク
 
ラットし続ける旋律をなぞる酔っぱらいの歌声なんかも―それは脳髄にで刻まれ続けるまるで必要の無い軌跡によく似ている、必ずすべては飽和するだろう…必ずすべては飽和してしまう、飽和して、はぐれてしまう、行先を失う、こんな小さな部屋に充満する空虚なんかよりもずっと酷い空っぽの中で、線が歪みかすれて言葉は死んでいく、晒されない死のためにあぶれた言葉たちが死んでいくのだ、それはどんな無意味なことよりもずっと無意味でずっと悲しいことだ、どうして受け取ることが出来ない?死の在り方を見つめなければきっと詩など生まれてこないだろう、生を長いトンネルとするならばその壁に必死で刻まれた言葉こそが詩だ、忘却された、廃棄され
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