赤黒い血飛沫のバラッド/ホロウ・シカエルボク
された思考はどんな死体になるのだろう、それは腐臭を放つだろうか、それは見るもおぞましいものだろうか、それともあらゆる感情をも含んだ物静かな塊だろうか、どんなものであれ…どんなものであれ無意味なものが何かしらの意味を持つことはきっとそんなに悪いことじゃない、なにも描かれないよりは少しくらい描かれた方がずっといい―切り落とされた首の断面から吹き出す血の様なものを、勢いを無くして滴り落ちる血の様なものを…いつか途絶えて一滴も流れることが出来なくなる血の様なものを…見なよ、まんざらでもないようだったらそのまま少し眺めてみておくれ、他人の血はとても雄弁に語るものだから。
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