赤黒い血飛沫のバラッド/ホロウ・シカエルボク
んだ食事が消化器官を圧迫している、苛立って腹を殴りつける、「腹にコンクリが詰まってる」、そんな映画の台詞を思い出す、モダン・ラブが素敵に流れてたあの映画…初めて見たのは二十年くらい前のことだったっけ?腹にコンクリが詰まってるんだ、そう思いながら腹を殴りつけて、それも映画の中であった仕草だったことに気付く、そして腹を殴るのは止めた、誰かがやっていることならもうやる必要はない―真夜中の台所で自分自身を断首したかった、後始末が楽なように思えたからだ、だけどそんな理想を実現出来る方法なんてなかった、それは十年くらい前のことだっただろうか?模索していた時点で終点を目指す気なんかなかったのだ、今になって思い返
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