逆立ちで、歩こう/まーつん
バラバラにほどけ
猟師に狙い撃ちされた
鳥の羽のように舞い落ちる
紙ふぶきの間を縫うようにして
真昼の光の向うに霞む星の海へと
無数の鳥が舞い降りていく
世界をひっくり返した僕は
頭上の地面から手を放し
空に足を踏みしめて
恐る恐る 歩き始める
ふわふわ ふわふわと
大地は今や
頭上を覆う天井
息を詰まらせる圧迫感
見上げてみると
さっきまで歩いていた
道のアスファルトのひび割れから
ミミズが一匹顔を出していて
僕と気まずく目が合った
僕はこっそり囁きかける
そのまま隙間に挟まっていな
うっかり天国に落っこちるなよ、と
今
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)