逆立ちで、歩こう/まーつん
 

バラバラにほどけ
猟師に狙い撃ちされた
鳥の羽のように舞い落ちる

紙ふぶきの間を縫うようにして
真昼の光の向うに霞む星の海へと
無数の鳥が舞い降りていく

世界をひっくり返した僕は
頭上の地面から手を放し
空に足を踏みしめて
恐る恐る 歩き始める

ふわふわ ふわふわと

大地は今や
頭上を覆う天井
息を詰まらせる圧迫感

見上げてみると
さっきまで歩いていた
道のアスファルトのひび割れから
ミミズが一匹顔を出していて
僕と気まずく目が合った

僕はこっそり囁きかける
そのまま隙間に挟まっていな
うっかり天国に落っこちるなよ、と


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