天と地が出会う場所/まーつん
映す鏡
それを 粉々にし
降り注ぐ 鋭い破片に
醜いわが身を わが心を
切り刻ませたかった
だが 何かが
この手を
躊躇わせた
私は深く息をし
それから
周りを見回した
辺りには
荒野が
そして
彼方には
地平線があった
その一本の線は
あやふやな 軌跡を辿りながら
空と大地とを 繋ぎ留めてくれていた
水と油の敵同士
彼らの腕を そっと支えて
握手させる 辛抱強い
仲裁者の様に
天と地が
出会う場所
そこは いつだって
遠く 遠く 歩を重ねた
遥かな時
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