天と地が出会う場所/まーつん
 
も 闇に沈めて
 明けることがない…


 (2)


 空は
 鏡に似ている

 人は
 そこに映した望みを
 地上に現わそうとしてきた

 家を建て
 土を耕し
 そこに生きた


 空は
 理想を映す
 姿見の鏡


 人は
 鏡の中の
 自分に合わせて
 華麗に踊ろうとしては
 足をもつらせ 転び続けてきた

 頭上の空と
 足元の大地とを
 同時に見ることはできない

 夢と 現実を
 同時に生きることが
 できないように

 だから私は
 足元の石を拾い上げ
 空に投げつけようとした

 己の理想を映す
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