Ex2*飛ぶ、しずむ、飛ぶ、飛ぶ。/みけねこ
いいし、春と夏の間とか、冬の空みたいに澄み渡った夏の星空とか言いたいときにどういうふうなのが正しいのかってわからないけど、春が春じゃなくなって、夏が夏じゃなくなっていく感覚を上手に言えなくっても、大丈夫、別にいいと思う。
私が絹子を知らなかったときはもっと、いつだって難しかった。
きみの瞳はいつも何かをじっと考えていて、深くて寂しくて、何にも似ていないから、だからけむりのように形を持たずに、蝶みたいに漂っている見えないものをつかまえることができるんだって思う。
言葉はたくさん使いたくない。わかるよ、でも、きみが、もの言わずに私を見つめているから、私も何かを言おうとして、たくさん
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