生命の雲/まーつん
りの動きに 自分を合わせられない
不器用な魚たちが 群れの外に迷い出た時
彼らのための犠牲となって 死んでいくのだ 」
僕は
その言葉を聞きながら
遠くに群れている
同族を見上げていた
揺蕩う水の天蓋からは
雨と降り注ぐ光の矢
銀の鱗を身にまとい
尾びれを打ち振る者達は
喜びに沸き返り
不安に渦を巻き
古い珊瑚の崖が連なる
暗い谷間のはるか上方で
雲霞のように
煌めいていた
「
お前さんはここに
一人になれる場所を見つけた
目立たない物陰にいれば
天敵が寄り付くことはないが
お前さんが望むような
仲間に恵
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