生命の雲/まーつん
さんの口に合う
食べ物はきっと
ここにはない
俺たちみんな世捨て人
霞を食らって生きてるからさあ。」
首を揃えて合唱すると
若いアナゴ達や
古株のアナゴ達は
またヒョイヒョイと
てんでに各々の
穴に引っこみ、
砂の下に潜っていった
僕は
ぽかんと開けていた口を
何とか 閉じることに成功すると
「なるほど
お仲間がたくさんいて
うらやましいね 」
それを聞いて
老いたアナゴは
苦々しく笑う
「うらやましい?
うらやましいって?」
アナゴの口から泡があふれる
「儂は 今では厄介者さ
若い奴らには
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