観念はあっという間に古びては消えてゆくものだ/ホロウ・シカエルボク
 
な時間が過ぎていく
生きていることが判っていたっていつでも鼓動を聴いているわけじゃない
呆然としていればそれはだいたい同じことさ
台所のメモには簡単なレシピが書いてあるが
この部屋の壁には詳細な喪失の記録と再生の仕方が書いてある
それは暗示のように知らず知らず従わせてしまう
真夜中の真っ黒い快晴の中へ落ちていく
目玉の中で何かが高速で回転している
ぽっかりと空いた穴を縫い合わせたってどんな好転もあり得ない
延髄から細い管で意識を吸い上げられるように睡魔に取り憑かれてるだけさ
なにか規則的なことをしてる時以外は時計表示になんか何の意味もないし
どれだけ眠っ
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