観念はあっという間に古びては消えてゆくものだ/ホロウ・シカエルボク
眠ったのか
どんなふうに眠ったのか
どうして眠っていたのか
それが何度繰り返されたら終焉が訪れるのか
とかくはっきりと決められていることほど疑い深いものなのだ
その日持っていたものの大半が寄り分けられて要らなくなってしまった
だからそれの代わりになるようなものをどこかで探しているのだろう
真夜中がおかしくなったのは音のしない時計に変えてからのような気がする
秒針がきちんと一秒ごとに叩いていた時代にはこんなことなかった
すでに忘れられた当り前のこと
そいつはなんて示唆に満ちたタイミングであったことだろうか
殺す必要なんかなくったって必要としないのなら同じようなものだ
喜劇か悲劇にしかなりえない代物だ
だから闇雲に捨てないようにあれこれと気を使いながら
うねりは繰り返された、そこからどうなりたかったのか、どんなことを考えていたのかまるで思い出せない
ぶら下がった友達の死体をたくさんテーブルに眺めた
どこを向いても目が合ってしまうのでいささか閉口している
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