観念はあっという間に古びては消えてゆくものだ/ホロウ・シカエルボク
 

俺がその成り立ちを認識していることに気付いてにんまりとする
繁華街の人混みの中で知った顔を見つけたみたいに
ドローイングな視線の彷徨い
グレーチングの下の薄闇までもう動かない時間が繋がっている
鼠色の夜は物言わぬやつらの宴だ
寄り集まって項垂れて分け合って舐め合って
ナムダイシヘンジョーコンゴーナムダイシヘンジョーコンゴー
そう真っ逆さまに上昇する夢を見ていたんだずっと
空の終わりの穴ぼこを抜けると地底もいいとこだった
臭いの無い時間だからきっとなにも生きていない
まるでそれぞれが妙に重い塵のように降り積もる
ネヲンライトをすり抜けて影なんかどっかに忘
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