半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭/ホロウ・シカエルボク
 
ない石がモタモタと山肌を転がるように毎日を生きていた、まるで面白くなかったし、どこにも接点が無かった、悪い奴らに酒と煙草を教えられたけど、そんなものにもなんの感想もなかった、悪くなることにもたいして興味はなかった、ルールの中で遊んでいるようにしか見えなかった、そんな中演劇を始め、少し世界が楽しくなった、地方の劇団に入って、何度か公演に出た、三度目の頃には、その劇団との誤差を感じていた、俺は劇団を辞め、自分で台本を書いて短い芝居を始めた、三十分にも満たない短い芝居をやっていた、安く借りることが出来る喫茶店のホールを借りて…そうしてだんだん書くことに魅せられていったのだ、夢中になって何かを書いていると
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