半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭/ホロウ・シカエルボク
見ていることになってるのか、自分じゃ全く判らないからだ―だけどそんなこと、自分じゃどうしようもないじゃないか、そうだろ?あれの手術は、目を開けたままするんだ、注射と眼薬で麻酔をかけて、寝転んで上を見ていると、針やメスが近付いてきて、その目に何かをしていることが判るのさ、針が刺さり、糸が抜けていく感覚、あれはなかなかちょっとした経験だったぜ、まあ、今はもっとマシになっているのかもしれないが―高校に上がる頃には俺はいろいろなことを投げていた、これはしばらくの間続くのだろう、そう理解していた、どこかに目をやるたびに、断層の隙間の暗闇に描かれたありがたくない示唆が見えた、俺は重さが足りず、満足に転がらない
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