半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭/ホロウ・シカエルボク
 
んだな、と俺は考えていた、不思議とそのことで悩むことはなかった、だって周囲の連中は、俺が知っていることをまるで知らないように見えたから…視力が落ちた時に内斜視になって、俺の右目は焦点がずれていた、目だけで右を向くと、右の黒目は完全に眼窩の奥に隠れてしまい白目だけになった、そのことで俺は一時期見世物のような存在になった、皆が俺の白目を見て嫌な顔をした、だけど何度も見たがるやつはいなかったから、俺は気前良く見せてやった、どのみちくだらないことに違いなかった、そんなことになんの感想もなかった、中学二年の時に手術をして少しはマシになったが、いまでもこの右目には苦労を強いられている、なにしろ自分がどこを見て
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