半身壊れた野郎、ブン回せ言葉の鞭/ホロウ・シカエルボク
 
違いないのだ、もちろんいまでは、あの時腕を失わないでよかったと思ってる、それは三時間ほど続いたが、千切れも腐りもしなかった、力が足りな過ぎたのだ、ただあの時間、俺はなにも考えなかった、汗をかいた記憶が無いから、きっと夏以外のどこかだろう、なにがどうなるのかあまりよく判らないまま、俺は弦を引っ張り続けていた、失いたいという願望がどこかにあった、だけどそうなることでどんな道を歩むつもりだったのかは、今となってはもう思い出せない―周囲との時差を感じ始めたのは中学生の頃だった、どこかに目をやるたびに自分を取り囲んでいる断層が見えた、皆が楽しんでいる出来事が、まるで楽しそうに見えなかった、そういうものなんだ
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