どこで、なにが、なにを、すべての疑問は泳がせておけばいい/ホロウ・シカエルボク
寝不足だ、いつまでも満たされることの無いダムのように、低くなる水準を眺めては憂いている、そんな時間にはいつでも、先に訪れる時間のことを考えていた、数時間後のこと、数十時間後のこと、そして、いざその時間になった時、ああ、あの時考えていた時間がやってきた、とひとしきり満足して、また次の数時間後のことを思うのだ、子供のころからそうだった、まだろくにものを知らぬ子供のころから、先の時間のことを考えていた、何時間かあとには算数をやっているのだろうなとか、何時間かあとには校庭で遊んでいるんだろうなとか、昼休みは何をしようかとか、それが終わると家に帰って夕飯を食べている時間のことなんかを考えていた、そして家に帰
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)