午睡/破片(はへん)
 
け上ずった処で、あなたが受けとる。黙祷する人はいない。葬送のこころ
を風が持ち上げるけれど、それはとても重かったのだと思う。

このおもいが、風化していく。重い、想いが。
誰も死ななかった日々が、灰になっていく。燃やされていく。
それは誰の意思でもなくそして、まぼろしの炎が、ひとりでにひろがっていく。
そうしていくうち、あなたの立つところが墓標に変わり、そこに立つことは、
できなくなっていた。運ばれていく。おだやかなはやさで、
灰になった誰かと、それを見送る人たちが、ついていける、熱い寝息の、
ひとびとは、みずからを喪うあいだ、すべての指を折っている、言葉と、
自性と対象、世界
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