午睡/破片(はへん)
世界とを、みとめられないまま、すさまじい熱を孕んだ風に、
運ばれていく、誰も死なず、誰も思わない、ただ運ばれていく
、なにもかも、
死なないあなたが、その人差し指の長さだけ、つまさきを前にずらすと、
上ずった、シャープが墜落して、最果てともう一度、くちずさんでいる、
清潔に乾いた衣服から、地上で見ることのできない色をした塵が舞い上が
り、空にささえられているこの大地をずらしていくから、それができるあ
なたは、明日きっとねむりつづける、そうして誰かが、ふたたび大地をず
らすまで。言葉のいらない、音の連なりが赤くふくらみながら、その熱量
でわたしたちは、すべる大地に乗って最果てへ
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