立ち上がる波/まーつん
 
い高みから
星屑達が 嗾ける

見せかけの 希望の輝き
毎晩の様に煌めかせ

波を枕に 眠るには
静かすぎる夜

君はふらふらと
重い腰を上げる

目の前に 広がるのは
満月が照らす 凪の海

静まり返った
波打ち際に立ち
ぼろぼろになった
帆の切れ端を
両手に掴み上げ
頭上に掲げる

頬を撫でる
かすかな風に
力なくはためく
古い布きれを

ばさり、ばさり
と 頭の上で
振り回す

夜の水平線に向けて

すると
死んだ様に
安らいでいた
足元の水が
ざわめく


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