タワー・オブ・テラー/済谷川蛍
 
人でスリルたっぷりの冒険をしてみることに決まった。そうして、禁断の扉は開かれた。扉が左右から閉まるとき、4人は不穏な目でこちらを覗いている従業員の男を無言で見つめ返していた。
 
 想太が「1階」へ行くよう操作した。エレベーターはその通りに下降し、少年たちは感動した。止まるとドアがゆっくり開き、誰もいない休憩室が見えた。ナツオが「押す! 押す!」と言って「閉」ボタンを押した。扉が閉まった。エレベーター内でくつろぐとまるで小部屋にいるような気分だった。階数はボタンで見る限り5階まであり、想太が3階のボタンを押した。「えっ、いいの?」とカオリが言った。エレベーターが動き出した。未知の世界へ到達する
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