背負って生きられるのかね/影山影司
ことを調べた。はじめは、自分と異質な肌の感触に戸惑う。夏場、頬ペタをつけて涼んだ机のようにトットの肌は冷たく……骨の感触は、控えめだった。ある種の工芸品、と言われたほうが扱いが楽な気がする。なまじ好きな異性だったせいで、強く握りしめたくなる。
行為が終わって、シャワーを浴びると、トットはすぐに帰ってしまった。
カミオは送るつもりだったが、トットはやんわりとそれを断った。
他人と時間を共有したら、それと同じ時間、一人にならなくてはいけないのだと。
カミオは彼女の意志を優先した。
風呂から出た後、ハンガーにかけてあった一度使って洗っていないタオルで体を拭いた。洗濯をしたいタイミ
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