取り替え子/影山影司
 
代わりのものがいることでそれを見る母親が苦しむようにした、という話があります。確かに、だんだん自分達には似ても似つかない姿に成長して、手の付けられないようになっていくと、親としても苦しむでしょうね。


 部活で忙しくなっても、俺は時折優一の家に呼ばれて食事を一緒にしました。
 優一の家の食事はいつも豪華で、俺はそれがとても嬉しかったんですよ。優一のお母さんが、「ユウ、あなたの好きな刺身をたくさん買ってきたのよ」なんて言って、何種類もの魚が並ぶんです。ウチは、それほど裕福ではなかったので、量だけは多くて、腹いっぱい食べれる飯でしたから、それがなんとも嬉しくてね。それでいて、優一は「母さん、
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