取り替え子/影山影司
いう時期だったんでしょう。
優一との関係は変わらず、付かず離れずでしたが、時折彼の言葉にトゲを感じるようになりました。今まで俺が何かをすると、褒めてくれた優一はなんだか、はっきりしない言い方をするようになりました。凄い凄いと手を叩いて褒めてくれたのが、「いいよな、悠二は」と最後まで言う前に、言葉を終えてしまうんです。俺はそこに違和感を感じてはいたものの、そんなに考える頭もなく、過ごしていました。
その日は部活が午前中までで、学校帰りに優一の家に遊びに行ったんです。部活の荷物を玄関に置いて、リビングに入るとそこには優一のお母さんが作ってくれたご飯と、ビリビリに破かれた紙がありました。いつ
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