天国へハイウェイ/ホロウ・シカエルボク
傷ぐらいは残せたかもしれないな、ええ?
育ちの悪い真似はお好みじゃなかったんだろう…
そして打撲痕のように呪いだけが疼き続けるんだ
嗤い声は何だ、どこから聞こえてくるんだ
何処か遠い場所で、さらに隠れて
何処か遠い場所でさらに隠れてくぐもっているあの声は
誰のことを嗤っているんだ、判断出来るかね
もしかすると蝉の姿かもしれないが
そうだ、あいつらは嗤えるのだ
ただただ懸命に鳴くのみだから
所詮
懸命に鳴くのみだから
けたたましい夏の加圧が
夕立の黒雲を押しどける夕刻の始まり
遮光繊維の向こうで爆撃の閃光のようなものが瞬き続けている
焼き尽
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