ぼくと、君と、ぼくらのクラスは最強だから。 #1/創輝
君の絵の具に赤色はなかった。
赤い色をいち早く使い切ったわけじゃないみたいだった
新品の絵の具に
赤い絵の具だけが入っていなかった。
美術の時間 色面構成で、どうしても赤い絵の具が必要だったね。
「どうしてもってきていないんだ」って美術の先生困ってた。
君はうつむきながら、
周りの人が貸そうとする赤い絵の具を全て断っていた。
それからなんだ。
君の周りに、赤いものがないって気づいたよ。
赤色鉛筆、赤ペン、文房具にも 私服にも どこにも赤がなかったね。
「赤は嫌いなの?」
何気なくたずねたつもりだった言葉は
思いのほか ぼくたちの住む世界に響いたようで
君
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