ぼくと、君と、ぼくらのクラスは最強だから。 #1/創輝
君は体を縮こまらせてた。
どうしたの、って聞いても
君はうつむいたまま、何も答えてはくれなかった。
だから、ぼくは勝手に納得することにした。
きっと赤いオバケがでてくる本を読んだんだなって。
ぼくも、そういうものの影響って実はいまだにあるから。
ねえ、どうしたのさ。
どうして夏になったのに、ずっと長袖なの?
熱中症になっちゃうよ。
幼いぼくらは、君のことを平気で傷つけてしまったね。
だけど ぼくらは、あそこでコソコソ話してる大人たちとは違うんだからね…。
大丈夫だよ。
「半そでが恥ずかしいの?可愛い、ヤマトナデシコだね!」
むちゃくちゃはしゃいだクラス委員長の声がした。
大人たちは固まった。
ぼくらはそれに合わせてはしゃぎだした。いつのまにか、君は笑ってた。
「やめなさい!苦しんでいる子供をいじめるなんて……」
どっかのお偉いさんが、そういうまでは。
ぼくらはこのまんまでよかったのになぁ……
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