ほら、そこで見なれない何かがまた息を潜めている/ホロウ・シカエルボク
 
の血には語れないものがそこには生まれるのさ、目を閉じてみろ、まぶたの裏で暴れる光があるだろう、そいつのことをどれぐらい語ることが出来る?高速で移動するものを出来る限り記録するのさ、その数が多いほど生命は証明される、その数がとめどないほど心脈に近づくのさ、詩とは視覚化された脈動なんだ、いまのおまえのあるがままをここに書き記せばいいんだ、ナイフを何度も壁に突きたてるみたいにさ、ひとつだけじゃ駄目だぜ、ひとつだけじゃひとつのことしか語ることは出来やしない、連なりこそが重要なんだ、繋がりこそが意味を持つんだ、それぞれの意味が毛細血管のように絡まりあって交差しあって、ぼんやりとした断定を始める、本当のことは
[次のページ]
戻る   Point(5)