神創世記/みずうみ鳶
それはあの眼球内壁に書かれた文字を読み取った光が
通り過ぎていったときに
焼き付けた一瞬の焦げ跡
それに黒点が当たり
ひとつの像になった
<黒点は宇宙に散らばったあの光粒の>
<ひとかけらが宇宙の果てにタッチして>
<闇の粒子になって帰ってきたものだったんだ>
僕の心像に画(え)が浮かぶ
眼球側壁に書かれた文字だ
波形文字はズームにされていく
だんだんとその文字の輪郭が明らかになっていく
その文字は動いているように見える
細かく扇動する手足のような
文字はただの蟻の行列なった
なぜ
なぜ?
何故?
そこで最期の記憶は途切れ
眼球
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