神創世記/みずうみ鳶
 
眼球の回転も止まる
すべてが停止した

時が終わる

その後停止した眼球壁の側面をぞろぞろと


その蟻が向かう先は
化石になった肋骨の上

頭上に浮いていた石も
すでに地に落ち

砂地には引きずったような跡が
地平線のむこうには一匹の陸亀

それ以外はすべてが砂に
停止した眼球も
肉体も
風紋を刻む風に
崩れる砂にされた

海底には蟻がたかる赤い花
その花弁の隙間
花蕾の奥に
ひとつの眼

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