神創世記/みずうみ鳶
ぽとぽと落ちる
すべての落ちた眼球が太陽を追って回転しつづける
そして発狂した声と
苦痛に歪む身体が踊り続ける
<太陽が落ちたらこうなるんだ>
<太陽が落ちたらこうなるんだ>
残った最期の惑星
僕の瞳は
たしかな波形文字に引かれて
黒点を見つめ続ける
急速にもう空のあたりまで来た黒点は
針のように小さいまま
眼球の中心に引き寄せられる
瞳に黒点が刺さる
黒点はその時眼球の白をかけめぐった
僕の眼球は真っ黒だ
眼球内の闇は
想像の光さえも奪いさり
眼球中心に小ブラックホールが
そのすべてが闇に落ちていく途中
小さな記憶が振るい起こされた
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