神創世記/みずうみ鳶
 
れが新たなる予言
意味を失った言葉が
人々の体を刺し貫いた

人々は原初の暗闇を想って
眼を閉じた

閉ざされた眼球は
ゆっくりと回転を始める
太陽を追って

網膜に焼き付けられた太陽の影のなかに
ひとつの黒点をみつける

黒点はどんどんと
瞳の中心に向かって
加速をつづける

その巨大な恐怖に
次々に人々は瞼を開く

開いても闇
まだ太陽の輪郭と
黒点の接近は止まらない

人々は恐ろしさに
声を上げ
悶え
苦しみ
ついには
回転する眼球を
抉り出してしまった

あるものは眼球を潰し
あるものは瞳を剥ぎ取り
やわらかな白球がぽと
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